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リアルタイムDT構築の課題

人工知能(AI)や機械学習(ML)を活用したデジタルツイン(DT)の構築は、近年ますます重要になっています。高精度な仮想実験からリアルタイムにDTを作り出す、あるいは過去のデータから実体を再現する。こうした取り組みが広がっています。

しかし、この仕組みを設計する工程は、現状では場当たり的になりがちです。仕様を明確に定めたり、正しく動くか検証したり、一度作ったものを別の場所で再利用したりすることが難しいのです。専用のツールも不足しています。これが開発現場の大きな課題でした。

新しい設計手法FDFの登場

この課題に対し、Function+Data Flow (FDF) という新しい手法が提案されました。FDFは、視覚的なドメイン固有言語(DSL)という考え方を使います。これにより、機械学習モデルなどの「関数」を明確に表現できます。そして、それらを組み合わせて再利用することを可能にします。

私たちは、FDFを「DesCartes Builder」という統合された開発環境に実装しました。この環境は、FDFを使ってDTを構築し、その正しさを検証する機能を備えています。

ユーザー評価で高い使いやすさを確認

私たちは、FDFとDesCartes BuilderがAIベースのDT開発をより利用しやすく、信頼できるものにできるかを評価するため、実証的なユーザー調査を実施しました。参加者には、DesCartes Builder内で代表的なリアルタイムDTの試作品を作ってもらいました。

その結果、DesCartes BuilderとFDFは、幅広い潜在的なユーザー、特に専門家の方々にとって、高いレベルの使いやすさを達成していることが分かりました。この調査では、ツールとFDFの基盤となる枠組みの具体的な強みや改善点も明らかになりました。

H-FDFによる複雑な仕組みへの対応

これらの調査結果に基づいて、私たちはFDFの階層的な拡張版であるH-FDFを提案しています。H-FDFは、反復的で構成要素型の処理の流れをサポートします。これにより、デュアルトレーニングのような、より複雑なDTの仕組みを形式的に定義できるようになります。

私たちの見方では、統合されたモデル駆動型の基盤は、AIベースのDT開発を、より規律ある設計の実践へと変える有望な方向性を示しています。

柴亮太
柴亮太の視点

デジタルツイン構築は設計の腕が問われる時代です。場当たり的な開発はもう通用しません。FDFのような明確な設計思想こそ、最速で成果を出す土台になります。私も常に設計から入ります。