ロジックが「いける」と言っても、AIが「やめとけ」と言えば何もしない
FUNDAFX EA5は、移動平均やボリンジャーバンド、ATRといった機械的な条件(ロジック)がエントリー条件を満たした場面で、そのまま自動発注するのではなく、直前にGeminiへ判断を仰ぐ設計にしている。ロジックが「いける」と言っても、Geminiが「やめとけ」と言えば、その回は何もしない。
この設計にした理由は単純で、ロジックだけだと「条件は揃っているが、状況としてはダマシっぽい」場面を機械的に弾けなかったからだ。移動平均のクロスやレンジのブレイクは、条件式としては満たしていても、直近の値動きの"文脈"まで見ると怪しいことがある。そこを補うために、ロジックの後段にGeminiの目を挟んだ。
実測:562件のうち、見送りは184件(約3割)
直近16日間(2026年8月9日〜24日)のログを実測した。ロジック条件を満たしてGeminiが実際に判定を返した562件のうち、内訳は以下の通り。
- エントリー(成行/指値): 378件(約67%)
- 見送り(Geminiの判断で見送り): 184件(約33%)
見送りは「3割」であって「8割」ではなかった。当初、社内的には「大半が見送りになっている」という体感があったが、実際にログを数えてみると、Geminiはロジックが拾った条件の3件に2件はそのまま通していた。見送るのは、あくまで一部の"怪しい"場面に限られている。
実際に見送った理由(一部)
見送り時にGeminiが返す理由は自然文で記録されている。実際の一例(数値パラメータやプロンプト文面は伏せる)。
上位足は買い方向ですが、5分足のMACDが負で買いを支持していません。ボリンジャーバンド幅が縮小中で、直近20本でブレイク水準を4回クロスしているためレンジ内のダマシの可能性が高いです。また、TP到達前に厚い抵抗帯が控えており上値が重いと判断し見送ります。
逆に、エントリーを選んだ判断はこういう書き方になる。
全時間枠で明確な買いトレンドが一致しています。5分足での抜け幅がATRに対して十分であり、ティック数も勢いを伴っています。直近のクロス回数も少なく水準も明確で、ダマシのリスクは低く順張りのブレイクアウトとして理想的です。
理由の書きぶりを見る限り、上位足と短期足の不一致、レンジ特有の"だまし"の兆候、抵抗帯の近さ——といった、ロジックの条件式には入れにくい"文脈"の部分をGeminiが拾っているように見える。
見送りに対する所感
正直に書くと、見送りの判断を見るたびに「もったいない」と思う瞬間はある。ロジックが拾った以上、条件自体は満たしているわけで、見送った直後に想定通り伸びていくケースもゼロではない。
ただ、見送りが「3割」に収まっているという実測結果は、Geminiが何でもかんでも慎重に倒すわけではなく、条件を満たした案件の大半(約7割)は素直に通していることも意味している。拒否権を持たせたことで機会をむやみに減らしているわけではなさそうだ、というのが今のところの手応え。
コストと処理
Geminiへの判定依頼1回あたりのコストは僅かで、1日あたりの累計コストはおおむね0.2ドル前後で推移している。判定のレイテンシは数秒〜十数秒程度で、スキャン間隔(5分足ベース)に対して十分に収まっている。
この先
現状はログを数えて実態を確認した段階で、見送り判断そのものの精度(見送った後に実際どうなったか)はまだ体系的に追跡できていない。ロジックとAIの役割分担——「何を機械的な条件に任せ、何を最終判断としてAIに委ねるか」という線引きは、この実測を踏まえてこれからも調整していく。
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