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生成AIがWebを検索して答えるとき、回答モデルとは別に、情報を集める検索基盤が必要になる。Staanは、この土台をAPIとして提供する欧州の取り組みだ。QwantとEcosiaによる独自インデックスの構築を背景に、AIへ何を渡すか、その根拠をどう残すかを考える。

検索結果を返す層と、回答を書く層を分ける

現行の公式ページでは、Web SearchとWeb Search for AIが案内されている。通常の検索では順位付きの結果をJSONで返し、AI向けでは追加の抜粋、評価と再順位付け、文書の取得などを組み合わせる。ページはQwant Searchと同じ基盤で動くことも説明している。

検索APIを使うことは、そのAPIが最終回答のすべてを保証することではない。検索で見つけた資料を、アプリ側のモデルが読み、用途に合わせて文章へ変える。この分担を理解すると、誤りが検索結果の不足によるのか、資料の読み方によるのかを調べやすくなる。

価格は元記事の掲載時と変わっている

イノベトピアの6月の記事には、当時の料金やAI Answerが紹介されていた。しかし11月3日に確認したStaanの公式ページでは、Web Searchは1,000リクエストあたり2ユーロ、Web Search for AIは同4ユーロと表示されている。最初の1,000リクエスト無料の案内や、個別構成のカスタムプランもある。

このため、本稿では旧記事の料金を現在値として再掲しない。費用を検討する際は、APIの料金に加え、取得文書の処理、回答生成、記録保存などアプリ側の費用を分ける必要がある。無料枠の適用条件、リクエスト制限、追加の処理も申し込み時に確認したい。

公式ページは検索のp95レイテンシを800ミリ秒未満とし、他の選択肢より最大4倍安いと表示する。これは提供者の説明であり、あらゆる検索条件で同じ結果になるという独立した検証ではない。検索から最終回答までの所要時間は、文書取得やモデル処理によっても変わる。

欧州のインデックスを持つ意味

Ecosiaの公式ブログは、Qwantと共同で立ち上げたEuropean Search Perspectiveによる独自検索インデックスの稼働を説明している。検索サービスを別の大手基盤に依存せず運営する選択肢を持つことが、取り組みの背景にある。

AIアプリの開発者にとっても、検索先を選べることは意味を持つ。情報源の収録範囲、言語、順位、更新頻度が変われば、回答の根拠も変わる。一つのAPIを別のAPIへ置き換えたとき、接続に成功することだけで品質が保たれたと判断できない。

以下は編集部の考察だ。日本の利用者向けに使うなら、日本語の会社名、同名の地名、更新の多い製品情報など、実際の問い合わせに近い試験が必要になる。欧州基盤であることと、日本語の資料を漏れなく探せることは別の評価項目だ。

出典付きの回答にも、参照の検査がいる

検索結果にURLが付いていても、そのページが回答の主張を裏付けているとは限らない。検索時点では関連していたページが後から更新されることや、抜粋では前提条件が省かれることもある。アプリ側では、必要な主張を元の資料へ戻って確認できる設計が重要になる。

業務で使うなら、質問、検索時刻、取得したURL、参照した部分、最終回答を対応付けて残すとよい。価格、提供地域、日付など変更されやすい情報は特に、どの時点の資料かを追えると、再確認の対象を絞れる。

また、検索語に社内の機密情報が含まれれば、検索の段階で外部への送信が起きる。社内資料をそのまま検索窓へ渡すのではなく、検索の目的に必要な情報へ絞れるかを検討したい。データの管理場所に関する提供者の説明と、自社が送ってよい情報の判断は、分けて行う必要がある。

回答の前にある基盤も、比較の対象にする

AIの比較をモデルだけで終えると、回答に使われた情報の違いを見落とす。StaanのようなAPIは、情報収集の層を選ぶ余地を広げる一方、接続後の評価を不要にはしない。検索、資料の選別、回答、出典確認を段階ごとに測ることで、どこを改善すべきかが見えてくる。

運営会社のRO合同会社は、AIの情報収集と業務利用に関する情報発信を行っている。相談時には、探したい情報と必要な根拠の粒度を示すと、検索基盤の選定条件を整理しやすい。

出典

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柴亮太
柴亮太の視点